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遺産分割前に発生した賃料債権の帰属,並びに遺産分割協議の法定解除及び合意解除

第1 遺産分割協議の成立と,遺産分割前に発生した賃料債権の帰属

□ 遺産は,相続人が数人あるときは,相続開始から遺産分割までの間,共同相続人の共有に属するものですから,この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は,遺産とは別個の財産というべきであって,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得します。
    つまり,遺産分割は,相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものですが,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は,後にされた遺産分割の影響を受けないということです(最高裁平成17年9月8日判決)。
    そのため,例えば,相続財産たる賃貸マンションについて遺産分割協議が成立したとしても,遺産分割協議が成立するまでに発生した賃料債権については,各共同相続人がその相続分に応じて取得できるものですから,そのことを前提として,既発生の賃料を分配する必要があるということです。

第2 遺産分割協議の法定解除及び合意解除

□ 共同相続人間において遺産分割協議が成立した場合,相続人の一人が他の相続人に対して当該協議において負担した債務を履行しないときであっても,他の相続人は民法541条によって当該遺産分割協議を解除することはできません(最高裁平成元年2月9日判決)。
    そのため,例えば,長男が母親の面倒を見ることを理由に遺産の大部分を取得したにもかかわらず,母親の面倒を全く見なかったとしても,他の兄弟が遺産分割協議を一方的に解除することはできないということです。
□ 遺産分割協議がいったん成立すると,相続開始時に遡って同協議に基づき相続人に分割した相続財産が確定的に帰属しますから,遺産分割協議をやり直して相続財産を再配分した場合(民法上,遺産分割協議の合意解除が可能であることにつき最高裁平成2年9月27日判決)であっても,当初の遺産分割協議に無効原因又は取消原因がある場合等を除き,相続に基づき相続財産を取得したということはできません。
   そして,この場合,対価なく財産を取得したとすれば,贈与があったとみなされて贈与税が新たに課税されます上,遺産分割協議の動機に錯誤があったことを無効原因として主張することは非常に難しいですから,いったん成立させた遺産分割協議のやり直しには非常に大きなリスクがあります(平成17年12月15日付の国税不服審判所の裁決参照)。
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