相続分及び相続人

第1 相続及び相続分

   以下の記事があります。

1 法定相続分及び相続人

2 相続欠格者

3 推定相続人の廃除

4 代襲相続

5 被相続人死亡時期に対応した,法定相続分の組み合わせ

6 特別受益

7 寄与分

8 父子関係及び母子関係の成立

9 人工生殖と相続の関係

第2 法定相続情報証明制度

1   平成29年5月27日から,法定相続情報一覧図の写しの交付が開始します。
   本制度により交付された法定相続情報⼀覧図の写しが,相続登記の申請⼿続をはじめ,被相続⼈名義の預⾦の払戻し等,様々な相続⼿続に利⽤されることで,相続⼿続に係る相続⼈・⼿続の担当部署双⽅の負担が軽減されることが見込まれます。

2 詳細については,法務省HPの「法定相続情報証明制度」,及び法務局HPの「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」を参照してください。

第3 相続制度の概観

最高裁大法廷平成7年7月5日決定は,相続税度の概観として,以下のとおり判示しています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1(1) 婚姻、相続等を規律する法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない旨を定めた憲法二四条二項の規定に基づき、昭和二二年の民法の一部を改正する法律(同年法律第二二二号)により、家督相続の制度が廃止され、いわゆる共同相続の制度が導入された。
(2)  現行民法は、相続人の範囲に関しては、被相続人の配偶者は常に相続人となり(八九〇条)、また、被相続人の子は相続人となるものと定め(八八七条)、配偶者と子が相続人となることを原則的なものとした上、相続人となるべき子及びその代襲者がない場合には、被相続人の直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ第一順位、第二順位の相続人となる旨を定める(八八九条)。
   そして、同順位の相続人が数人あるときの相続分を定めるが(九〇〇条。以下、右相続分を「法定相続分」という。)、被相続人は、右規定にかかわらず、遺言で共同相続人の相続分を定めることができるものとし(九〇二条)、また、共同相続人中に、被相続人から遺贈等を受けた者(特別受益者)があるときは、これらの相続分から右受益に係る価額を控除した残額をもって相続分とするものとしている(九〇三条)。
(3)  右のとおり、被相続人は、遺言で共同相続人の相続分を定めることができるが、また、遺言により、特定の相続人又は第三者に対し、その財産の全部又は一部を処分することができる(九六四条)。
   ただし、遺留分に関する規定(一〇二八条、一〇四四条)に違反することができず(九六四条ただし書)、遺留分権利者は、右規定に違反する遺贈等の減殺を請求することができる(一〇三一条)。
(4)  相続人には、相続の効果を受けるかどうかにつき選択の自由が認められる。
   すなわち、相続人は、相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない(九一五条)。
(5)  九〇六条は、共同相続における遺産分割の基準を定め、遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする旨規定する。
   共同相続人は、その協議で、遺産の分割をすることができるが(九〇七条一項)、協議が調わないときは、その分割を家庭裁判所に請求することができる(同条二項)。
   なお、被相続人は、遺言で、分割の方法を定め、又は相続開始の時から五年を超えない期間内分割を禁止することができる(九〇八条)。
2(1) 昭和五五年の民法及び家事審判法の一部を改正する法律(同年法律第五一号)により、配偶者の相続分が現行民法九〇〇条一号ないし三号のとおりに改められた。
   すなわち、配偶者の相続分は、配偶者と子が共同して相続する場合は二分の一に(改正前は三分の一)、配偶者と直系尊属が共同して相続する場合は三分の二に(改正前は二分の一)、配偶者と兄弟姉妹が共同して相続する場合は四分の三に(改正前は三分の二)改められた。
(2)  また、右改正法により、寄与分の制度が新設された。
   すなわち、新設された九〇四条の二第一項は、共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、法定相続分ないし指定相続分によって算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする旨規定し、同条二項は、前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める旨規定する。
   この制度により、被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者には、法定相続分又は指定相続分以上の財産を取得させることが可能となり、いわば相続の実質的な公平が図られることとなった。
3(1) 右のように、民法は、社会情勢の変化等に応じて改正され、また、被相続人の財産の承継につき多角的に定めを置いているのであって、本件規定を含む民法九〇〇条の法定相続分の定めはその一つにすぎず、法定相続分のとおりに相続が行われなければならない旨を定めたものではない。
   すなわち、被相続人は、法定相続分の定めにかかわらず、遺言で共同相続人の相続分を定めることができる。また、相続を希望しない相続人は、その放棄をすることができる。
   さらに、共同相続人の間で遺産分割の協議がされる場合、相続は、必ずしも法定相続分のとおりに行われる必要はない。
   共同相続人は、それぞれの相続人の事情を考慮した上、その協議により、特定の相続人に対して法定相続分以上の相続財産を取得させることも可能である。
   もっとも、遺産分割の協議が調わず、家庭裁判所がその審判をする場合には、法定相続分に従って遺産の分割をしなければならない。
(2)  このように、法定相続分の定めは、遺言による相続分の指定等がない場合などにおいて、補充的に機能する規定である。
1(1) 交通事故及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
  
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。